検索
  • 事務局

「電子立国」を支えた技術雑誌 (岡田大士:中央大学)

最終更新: 2020年12月11日

 新しい技術やそれを用いた製品・サービスは、ある種の熱気を帯びた「ブーム」として大衆社会に導入されてきます。そのブームを支えたのが技術雑誌でした。

 「ブーム」初期段階に登場した雑誌には当該技術・サービス分野において担い手となる人物が執筆者として登場し、新技術に対する期待が紙面に盛り込まれました。雑誌の刊行が進むにつれ、さらなる新技術への期待が新たな記事として紙面を飾りました。初期の執筆者の中にいた青年期の若者は、成長して実業界の中心人物になっていきました。新技術・サービスが一般に普及し、社会生活を変革していけば、「イノベーション」と呼ばれるようになります。「電子立国」と呼ばれた日本の電子機器産業と情報サービスを興隆させ、社会変化を生み出したイノベーションの歴史において、技術雑誌は、人物・情報を媒介・流通させたまさに「メディア」でした。

 マイコン、パソコンからスマートフォン、国内生産から海外生産、「iモード」などの国内携帯電話会社のサービスから「GAFA」と呼ばれる米国のサービス・産業の流入など、我が国を取り巻く電子機器産業・情報サービス分野の転換・業界再編が様々な形で進んでいます。技術雑誌の電子化は、日本の電子機器産業・情報サービスの歴史を検証するための基盤となる重要なプロジェクトといえます。産業・イノベーションの歴史を調査研究する立場として、本プロジェクトのスタートを歓迎いたします。

(中央大学 法学部 教授 コンピューターリテラシー、科学技術政策)

60回の閲覧0件のコメント

最新記事

すべて表示

「技術雑誌 電子復刻」プロジェクトに寄せて( 井芹昌信:アドバイザー)

私は、1980年にASCII誌のアルバイト募集を見たことがきっかけで、出版という立場でパソコン、インターネットの進展を共有することになりました。日本のハードウェアが世界をリードしていた80年代には、電車の中でCPUの型番やメモリの容量自慢をする会話が聞こえてきたものです。それらの情報源になっていたのが技術雑誌でした。当時の記事や広告を読み漁った方々が、その後のIT業界を切り開いて行かれたように思い

作業日誌

【2021/02/10】登録者(284名)に主な不明者一覧を公開。登録308名、連絡済み160名。 【2021/01/26】丸善雄松堂、イーストより告知を開始。登録210名、連絡済み121名。 【2021/01/18】情報処理学会メールニュースで配信され12名にご登録いただく。 【2021/01/06】三井斌友先生より77名の情報を頂き、メールおよび手紙を送信。 【2020/12/31】登録114

多くの若者に刺激を与えた技術雑誌 (田丸健三郎:日本マイクロソフト NTO)

今日ブラックボックスのように隠蔽されている様々な基本技術が当時は新しく、刺激的であり、多くの人の興味を掻き立てるものでした。現在活躍している技術者の多くが何らかの形でこれらの技術雑誌の影響を受けたのではないでしょうか。私の場合、日本電気のTK-80にはじまり様々なハードウェアに触れ、そして技術雑誌で紹介された内容を試し、作るなどチャレンジした末に米国に渡り、今日多くの方々に使用いただいているソフト

techmag.jpg